『アナと雪の女王』

ディズニー新世代のフェアリーテイル。ヒロインもツートップ。王子様がハッピーエンドを持ってこない。
それでも、骨の髄までディズニーなミュージカル。
これが、ひとつの到達点か。

一言で言うと、長女はつらいよって話です。
だって次女は天真爛漫だし笑顔が可愛いし自由奔放だし恋に失敗して打ちのめされてもすぐ次の男が現れるし、それにひきかえ長女!! 責任感満載の孤高のひきこもり。
一緒に観に行った母と、「次女ってのは古今東西こうなのかねぇ…」と話しながら帰宅しましたとさ。

評判どおり、色々と新しい。王子様?ヒーロー?がヒロインの人生にまるで役に立たないところも然り、それ以上に、波乱を自らの足で走りぬいたヒロイン達が"答え"を己の中に見出して、しかもその”答え”が台詞で全く説明されないという。この点はまさに『千と千尋の神隠し』方式。
だいたい、人生に対する答えを言葉でちゃちゃっと説明できるなら、2時間も3時間も映画を見せる必要ないのだ。登場人物達が生きるドラマの中から滲み出るから、ドラマなのであって。

音楽も評判どおり、素晴らしい。王道ディズニープリンセスクラシックでもなく、かといってハンナ・モンタナ系ポップでも、決して、ない。サントラ買ってしまったではないか。うふふふ。
歌詞で、これでもかー!と韻を踏みながら伏線をばらまくんです。英語詞っていいですね。日本語も美しいけれど、日本語歌詞の「一つの音に一音」より、英語詞の「一つの音に一音節」のほうが、やっぱり歌詞の密度は桁違いに高い。歌詞が物語を背負って縦糸横糸を織り成す。良く練られているもんです。

一点、なんだこれは?という要素があったのですが、完全にストーリーをばらしてしまうので続きは↓へ。





王女様・アナの目の前に現れるハンス王子の人物像について、である。

物語の中で彼だけが異様で、話が進めば進むほどおかしいポイントが増えていく。人間じゃないみたいに描かれている。なんだこれは・・・と思っていたら、こういうことでした。
で、すごいな、と目からウロコだったのは事実なんですが、はて、と作品全体を振り返って思うのは、これほど観客の心に異様な――のどに引っかかった魚の骨のような――印象を残してまで、アンデルセンの原作『雪の女王』への敬意を描き込む必要はあったんだろうか、という。
エルサは雪っていうより氷の女王っぽいし、そもそも、邦題こそ『アナと雪の女王』だけど、原題に至っては『Frozen』(凍りついた)だし。もうディズニーあるあるの「原作どこいったアニメ」でも良かったんじゃないか。脚本、演出、音楽、歌詞と、奥行きは本当に充分にあるので。そこがちょっと、疑問点。
でもディズニーの傑作映画として、『魔法にかけられて』と横並びの星五つです。

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